
気が付くとそこには少女がいた。
少女が望むままに動いた。
私はそういう”存在”だ。
少女が死んだ。
全てを知っている。
だから......
【メメント・モリ】は存在しない。
元々はとある少女の妄想だった。
少女が遺した言葉によって存在している。
元が不安定な存在故、容姿が完璧には定まっておらず身長や見た目年齢は気分などによってばらつきがある。また、意識的に変える事もできるようだ。
「〜ね」「〜よ」「〜だわ」など女性らしい話し方をする。他人の話し言葉などを真似る癖がある。
現在の話し方は自分を作った少女の真似のようだ。
本来性別という概念がないため、少女をまねる必要がなくなれば「~だ」「~だろう?」などといった話し方になるかもしれない。また、彼と呼ばれようとも彼女と呼ばれようとも文脈で自身を指していることが分かれば反応する。
あまりに長生きなので殆どの人は年下となってしまうが本人は気にせず呼びたいように呼んでいる。
敬われなくとも何とも思わない。
悪魔?
前述した通り【メメント・モリ】は悪魔ではない。
しかし、ザガンと言う悪魔を元に作られている。
そのため、血をワインに、水をワインに、金属を硬貨へ変えることが出来るまた博識である。
博識であれど、ほとんどを知らないふりをする。
その方が大衆になじみやすい。と思っている。が、たまに口が滑っているところを見かける。
しかし、所詮は偽物なので逆は不可能。また、愚者を一時的に賢くすることもできないようだ。
身体的特徴
頭に生えている大きな角は少女の死んだ後に現れたもののようだ。
傷をつけてもすぐに治ってしまう。大きな傷は黒い靄のようなものが発生し、傷を覆うと傷が治る。そのため、基本的には死ぬことはできない。これらの現象は彼女が望んだものではない。
足の爪は常に黒い。手の爪は普通の色をしている。おしゃれで塗ることはある。
体温は基本的には無い。触るとひんやりする。
が、再現することもできるため相手に合わせているようだ。
メメント・モリの身体は少女が3歳の時点で作り上げたものだ。
当たり前だが、3歳の少女に解剖学の知識はない。よって創造されたメメント・モリの体内は出鱈目なつくりをしているか黒い霧しか詰まっていないからっぽだろう。
少女
少女は自身が死ぬ直前に「あなたは自由に生きて」と言葉を遺した。
その言葉通り彼女は死ぬことなく生きている。
少女の魂は彼女の持っている懐中時計に押し込まれている。
体は丁寧に肉を落としたのち、地下のワイン保管庫横にある隠し部屋に安置されている。
少女をよみがえらせる行動原理
メメント・モリは死ぬ手段を失っている。
自身を創造した主はこの世におらず、「自由に生きて」と遺されていることからそれが願いであり祈りであり呪いなのだ。
そのせいなのか「他者に忘れられる」ことでは消滅に至らないらしい。
メメント・モリが唯一思いつく自身の死は「創造主に否定されること」。
そのためには少女をよみがえらせる必要があった。
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長年の苦労の末、彼女は目覚めた。
彼女が否定さえしてくれればメメント・モリは死ねる。